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活動報告

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 議案第24号「長野市部設置条例の一部を改正する条例」を可決すべきとする総務委員会委員長報告に対し、反対の立場で討論しました。また、部局の再編・新設とあわせて、文化財に関する事項を観光文化部に分掌させることに伴う改定は、議案第50号「長野市教育に関する事務の職務権限の特例を定める条例の一部を改正する条例」と関連するため一括して討論しました。

討論の録画中継はこちらの長野市議会ホームページでご覧いただけます。

採決の結果はこちらからご覧いただけます。

 この改定により、博物館、埋蔵文化財センター、松代藩文化施設や大室古墳群の管理、文化財保護と伝統的建造物群保存地区に関する手続きなどの管理主体は、教育委員会から市長に移り、文化財課、文化財関連施設は教育委員会から市長部局に移管されることとなります。

今回の改正は、これまで文化財を活用した観光振興等の施策を進めようとしても、意思決定の機動性が欠け、観光振興や産業振興を担う市長部局との連携が図れないという課題を解決するためのものであり、2019年の法改正(文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律)により可能となったものです。この法改正は、文化財を観光資源化し、保存から活用へと軸足を移すもので、文化財を観光振興に欠かせない資源とし、地域における文化財を積極的に活用するという「稼ぐ文化への展開」を背景として、従前の保護に重点を置いた施策から大きく転換がなされました。

しかし、2013年中教審のまとめた「今後の地方教育行政の在り方について」では、「文化財保護に関する事務については、政治的中立性や継続性・安定性の確保が求められる。そのほかに、文化財は国民共通の貴重な財産であり、いったん滅失、既存すれば原状回復が不可能であるといった特性や、首長部局が行う開発行為との均衡を図る必要等があることから、現行制度においては、教育委員会で所管することとされ、首長に所管を移すことはできないこととされている。そのような特性や必要を踏まえ、教育行政部局が担当する必要がある」との報告があります。

また、文化財は建造物から衣食住、年中行事、保存技術や埋蔵品まで、長い歴史の中で生まれ、育まれ、守り伝えられてきた重要な財産です。とくに日本の文化財の特質として、紙・絹などを主材料とするものが多く、高温多湿の気候では湿気やカビなど損傷しやすいため、専門性を持った職員による保護・保存が大変重要です。

令和元年台風19号による豪雨災害では長野市立博物館学芸員をはじめとする学術機関、団体の専門家とボランティアが未指定文化財のレスキュー活動に取り組み、被災資料の補修が現在も進められています。

文化財は、将来新しい文化を生み出すための財でもあります。文化財を守り未来に伝えていくことが今を生きるわたしたちの務めです。文化、観光、経済の好循環創出を目指す取り組みを否定するものではありませんが、文化財保護にあたっては長期的な視野に立った高い専門性が求められます。しかし、教育委員会から市長部局への移管により、開発が優先され社会教育的な視点が縮小することが懸念されます。以上のことから、文化財に関する事項を観光文化部に分掌させることに反対です。

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