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活動報告

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 22日の最終日は、議案に対する討論と採決がありました。すべての議案の結果は長野市議会のウェブサイトからご覧いただけます。

 健康保険証の継続を求める意見書採択を求める請願、小中学校の給食費の無償化を求める請願を不採択すべきとした各委員長報告に反対の立場で、また議案第71号「令和5年度長野市一般会計補正予算」のうちの「子どもの体験・学び応援モデル事業」3億6460万円について可決すべきとした委員長報告に反対の立場で討論を行いました。

請願16号「小中学校の給食費の無償化を求める請願」の討論の録画中継はこちらからご覧いただけます。
           
 請願者は、コロナ禍と物価高騰の中で、特に子育て世代においては貧困化が進んでいること、その中で、給食費が重い負担になっている家庭も増えていること、栄養バランスの取れたおいしい学校給食は、子どもたちの健やかな成長を保障するために大切なものであり、セーフティネットの役割も果たしていること。学校給食の無償化や公費補助が全国的に広がり、県内でも無償化が進んでいることを述べ、小中学校の給食費の無償化と、完全無償化するまでは、何らかの軽減措置を検討し一歩踏み出すことを求めています。
 請願者からは、「隠れ教育費」と言われる、体操着、上履き、絵具セット、習字セットその他たくさんの揃えなければいけない物があり、義務教育でもとてもお金がかかるというお話もありました。
 委員会審査において、不採択とすべきとする委員からは、子育て支援策が必要ということは全議員が賛成で、給食費の無償化は誰もが賛成することだが、小中学校の給食を完全無償化するには当初予算の1%にあたる14億円が継続的に必要となる。含意は十分承知できるが、そもそも給食費は国策でやっていくべきで、長野市に要求するのは違
う。教育現場を見たとき不登校対策、トイレも含めた学校改修やスクールソーシャルワーカー、カウンセラー、そういうところを長野市として充実させていかなければならない中で、14億円の固定支出は、他のやりたいところに影響が出てしまうかもしれないので、思いはわかるけれど厳しい。国の動向をみるべき、と言った意見が相次ぎました。
 教育長からは、施設整備、トイレ様式化、エアコン、など、まだまだお金のかかる課題がたくさんある中、学校給食費は優先順位として低い、との説明がありました。紹介議員からの「そもそも教育予算のパイを広げないといけない。教育費の予算を獲得すべきであるが教育予算の拡充についてどう考えるのか」という問いかけに対して、教育長は、「財政当局には毎年予算要求はしているが、市の予算が厳しく、限られた枠の中で行っているのが現状。潤沢に予算が付けば積み残しの問題も解決する。自分も学校を訪問させてもらい体育館の雨漏りなど現状を見て、これはいかんと財政当局にはこれまで認められていなかった予算をつけてもらった。でも、教育の方だけでパイを広げるというわけには行かない。引き続き財政当局には予算要求をしていく」と話されました。
 3月議会の一般質問でも取り上げましたが、この「大変厳しい、限りある教育費」の中で、今年度は「学校マイプラン」が各校4万5千円から4万円に削られました。削減された金額は、全体で39万5千円です。これについての答弁で、市長は「教育費については前年度当初予算と比較して、小中学校施設の大規模改修等の公共施設長寿命化枠を除いて14億円増の135億円を確保した。限られた財源の中で子どもたちの学びに必要な経費は計上できたと考えている」と答弁されました。
 前年度より増えたという「教育費」14億円の計算を見てみると、ホワイトリングの高機能化、プロスポーツチームの練習拠点の高機能化、長野オリンピック・パラリンピック25周年記念事業、南部図書館耐震工事、豊野交流防災センター整備や長沼交流センター整備事業費、松代城址保存整備事業など文化財の保存整備事業費なども含まれています。
子どもたちの学びに必要な経費は、本当に計上できているのでしょうか?市は、平成31年度に、それまで小学3年生から中学3年生までの全児童・生徒対象に行っていた芸術鑑賞音楽会の補助金、ひとり300円、総額677万円を廃止しました。この補助金は、それまでも年々減らされ、その分、保護者負担が増えており、最後の平成30年度の保護者負担は、小学校で900円、中学校で1120円でした。中学校では、今も全額保護者負担で芸術鑑賞音楽会を続けていますが、ひとり約1100円の負担が大きいという声もあり、来年度は金額を下げられるように相談していくということです。本来ならば、全ての小中学校で芸術鑑賞音楽会が出来るための十分な予算措置を講じて、全ての子どもに、良質のもの、本物を体験をできる機会を保障するべきではないですか?
 令和4年3月議会で質問した公立小中学校図書館への新聞配備も、文科省は小学校に2紙、中学校に3紙配備することを目安に予算措置をしていますが、長野市では全小中学校に「子ども新聞」を配備できる予算しか計上していません。
 この厳しい財政の中で、何を優先すべきなのか。まずは、子どもたちが義務教育を受けるために必要なこと、学校で豊かな学びや体験ができること、子どもたちの命や健康を守ることに優先的にお金を使うべきではありませんか?
物価高騰で子育て世帯の負担は増えています。長野市の子どもたちが、安心して健やかに毎日を過ごせるために欠かせない学校給食費に対し、国の施策を待つのではなく、出来るところから軽減措置を始めるべきだと思います。
議員各位のご賛同を心からお願いして、私の討論を終わります。

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