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活動報告

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 質問では、外国ルーツの子どもたちが学校生活で直面する課題について取り上げ、多文化共生推進のための包括的な計画策定を市に求めました。少し長文ですが、質問と市の答弁を掲載しました。録画中継はこちらからご覧いただけます。

質問⑴ 日本の総人口が急速に減少する一方、外国人住民が増加、多国籍化しており、今後もさらにこの傾向が続くことが予想されます。全国の自治体では、多文化共生の推進に係る指針、計画の策定が進み、地域の実情に応じて独自の施策を盛り込んだり、外国人支援の視点を超えて、外国人住民を地域社会の担い手とし、社会参画を促す取組も見られます。長野市における外国人住民の数、多文化共生推進の取組、日本語教育が必要な児童・生徒への教育支援について教えてください。


(商工観光部長 )本市における外国人住民の数と多文化共生推進の取組についてお答えいたします。
本市における外国人住民の数は、令和5年8月1日現在4,238人で、長野市の総人口に占める割合は1.16%であります。
 多文化共生推進の取組といたしましては、国際化の進む中、住民同士が多様性を認め合い、互いを尊重し、暮らしやすい環境を整えるため、長野市もんぜんぷら座に多言語で対応可能な相談窓口として国際交流コーナーを開設し、専用スタッフを配置するとともに、在住外国人のための生活ガイドブックを6か国語で作成、配布しております。
 また、無料の日本語教室を対面とオンラインで実施しているほか、FMぜんこうじにおいて、毎週月曜日に中国語、英語、タイ語、ベトナム語の4か国語により、ごみの出し方や医療機関の受診についてなど日常生活に必要な情報を発信し、安心して生活ができるよう、身近なところからの支援に努めております。
 さらに、日本人住民との交流を促進するため、在住外国人の皆さんが自ら母国の文化を伝える講座や、互いの文化を体験し相互に理解を深める各種交流イベントの開催のほか、信州大学の学生と外国籍等児童・生徒との学習交流会などの取組を行っております。

(教育次長)
 本市における日本語指導が必要な児童・生徒は、令和5年5月1日現在68人おり、そのうち43人は小学校3校、中学校4校に設置された日本語指導教室に在籍しております。
日本語指導教室では、日本語の習得レベルに応じて、個別に特別な教育課程を編成し、学校生活を通して生活言語の習得や授業での学校言語の習得などができるよう、児童・生徒の支援を行っております。
通学の関係などで日本語指導教室のない学校に在籍している25人の児童・生徒については、個々の言語に応じた母語支援者19名が在籍校を巡回訪問して、授業中における通訳を含めた学習支援や生活言語習得への支援を行っております。また、保護者に対しても、日本語習熟度に合わせて、母語支援者が個別懇談会に同席するなど、学校との調整役を担い、支援を行っているところです。

(質問2)外国ルーツの子どもが学校教育を受けるに当たっては、多くの課題があります。
まず、保護者が日本の教育制度や学校のことを知らないため、学校からのお便り、持ち物や行事、避難訓練やPTAなど、言葉だけでなく、内容自体ができないなど様々な困り事があります。また、子どもたちが学ぶためには、日常会話以外に学習のための日本語を身につけることが必要ですが、学校の日本語指導だけでは学習言語の習得が追いつかないため、会話はできても教科書を理解することが難しく、本来持っている力を発揮できない子がたくさんいます。
 外国ルーツの児童・生徒をめぐっては、ほかにも多くの複雑な課題があります。国際交流コーナーや民間団体でも可能な範囲で支援をしていますが、包括的な取組が早急に必要です。
 学校だけでは子どもの最善の利益を実現することはできません。市内のボランティア団体、中高生・若者ほっとキッチン、無料学習塾では、信大の学生などに講師を頼み、ベトナム人の子どもにも対象を広げた学習支援を週1回行っています。来日した頃は不安で硬い表情だった子が、ここで勉強を教えてもらって学校の成績も上がり、今では笑顔で、将来は日本とベトナムの架け橋になりたいと言っているそうです。
ここでは月2回、勉強した後に、子ども食堂で保護者も一緒にお昼を食べます。代表の方は、日本語の学習だけでなく、一緒に何かをする中で文化や習慣の違いに気づき、日本ではこうだよと伝えることができたり、お互いに理解し合えることが大きいとおっしゃっていました。

 ほっとキッチンでは、生活全般にわたる困り事についても相談を受け、支援をしていて、外国の方が長野市で暮らす上で、とても重要な役割を果たしています。しかし、関わる方たちは、民間の活動が行政や学校と密に連携できているとは言い難い。ここにつながらない人たちにどうやって支援を届けたらよいか、自分たちには方法がない。
運営費用は賛同してくださる方々からの寄附によって捻出しているので、負担が大きいと話されていました。
 昨年、国際交流コーナーの専門員の方からもお話をお聞きしました。外国人の方が日本で生活するためには、日本語だけでなく、日本独特の文化や地域生活、学校や働くこと、病院、防災など、地域で暮らしていくための知識を学べる必要がある。ここに来てくれれば、子どもも大人も支援ができるが、ここに来ない人がどうなっているのか分からない。来られない中に問題を抱えている人がいると感じるが、そこにアクセスできるよい方法がないと、同じ課題を話され、支援の横のつながりの大切さ、市と民間団体の協働の必要性についても共通の認識を持っておられました。
 長野市の行政や民間の現場では、多文化共生のために真摯な取組がなされていますが、相談支援にたどり着いていない方たちが多くいると考えられます。実態は把握されていますか?

(商工観光部長)昨年度、国際交流コーナーで受けた相談件数は2,045件で、国籍別では中国が1,011件と約半分を占め、以降、フィリピン、タイ、ベトナムが上位となっているほか、既に日本国籍を取得された方や外国人を雇用する企業等からの相談も多数寄せられております。相談内容につきましては、日本語学習に関することが371件で最も多く、次いで入管手続が224件、行政や学校からの通知の翻訳や通訳などが150件であります。
 また、外国人の方が日本で生活するためには、日本語だけではなく、日本独特の文化や地域生活のことをはじめ、地域で暮らしていくための知識を学ぶことが必要であり、本市では国際交流コーナーを拠点として、相談窓口や日本語教室など様々な支援事業を実施しております。
 まずは、外国人の方に国際交流コーナーの存在を知っていただき、困ったことがあれば気軽に相談していただけるよう、住民登録を行う際に市の窓口担当者から、国際交流コーナーの場所や連絡先をお知らせしております。
また、日本語教室や国際交流コーナーを通じてできた外国人同士のコミュニティーのほか、実際にコーナーを利用した外国人の方のSNSを通じた情報発信でも、広く周知されていると聞いております。
 実際に日本での生活に困り、相談支援にたどり着いていな方がどの程度いるかにつきましては、外国人住民に対する個別の調査を行っていないため把握はできておりませんが、本市には支援を必要としている方が気軽に相談できる場所があることを漏れなく知っていただけるよう、今後も長野県多文化共生相談センターや国際交流団体と連携した情報発信など、様々な方法で積極的に周知し、困っている外国人の方に寄り添った細やかな支援
に努めてまいります。

(質問3)現在、長野市には多文化共生推進のための包括的な計画がありません。外国ルーツの子どもたちが必要な学びを得られ、持てる力を発揮できることは、ほかの子どもたちにとっても豊かな学びにつながります。何より、全ての子どもの学ぶ権利を守ることが私たちの責務です。
 グローバル化、少子高齢化、人口減少により、外国人人材がますます必要とされる中、外国人住民の権利を守るための総合的な支援と地域社会の一員として、対等な関係で共に生きていくための取組は不可欠です。
多様なルーツを持つ外国人が地域で力を発揮してくれることは、地域の活性化にもつながるでしょう。しかし、多文化共生の足元である地域において、外国人を共に暮らす住民として受け入れる私たちの意識は、まだまだ現状に追いついていません。
 松本市では平成23年に、松本市多文化共生推進プランを策定し、現在、第3次プランに沿って取り組んでいます。地域づくりと人権の視点、多様性の持つ豊かさを基軸として、地域で多文化共生を推進するためには、市民、地域、行政、企業のそれぞれが様々な分野で自らが担い手となり、お互いに連携し、協働しながら取り組むことが必要であるという考えの下、数値目標を設定して具体的な施策を展開しています。
その一つに、松本市多文化共生キーパーソンがあります。国籍を問わず、市民一人一人が地域社会の一員として活躍することができる多文化共生社会を実現するために、行政や地域と外国人住民の橋渡し役となって活動するキーパーソンを募集して登録し、つながりや助け合いのある地域づくりに関わってもらったり、市の担当課や行政機関
との連携をするほか、キーパーソン同士でネットワークを形成し、円滑な支援につなげることを目指しています。
 協働のまちづくりは、行政と民間、地域住民の連携、協力がないと実現できません。個々の現場の頑張りだけではできないことも、アクションプランがあることで必要な予算づけや人員の配置、具体的な施策ができるようになります。

 長野市においても、多文化共生の包括的なビジョンをまず掲げ、現状と課題を把握し、全ての施策を人権とまちづくりの視点から考えた上で、行政、民間団体、地域、企業などが方向性をしっかりと共有して、そこに向かっていくためのアクションプランを策定する必要があると思いますが、
市長のお考えをお聞かせください。


(市長 )人口減少、少子高齢化の進行により、外国人人材のさらなる活躍が期待されることから、在留外国人が地域社会の一員として共に生きていくための取組は大変重要なことと認識しており、議員御指摘のとおりだと考えております。
 本市では、全ての人の人権が尊重される社会を目指し、長野市人権政策推進基本方針を策定し、長野市の全ての施策を人権尊重の視点で見直し、市を挙げて人権が尊重され、心豊かな生活を送ることができる明るく住みよい社会の実現に向けて取り組んでまいりました。
この基本方針には、取り組むべき人権課題の一つに外国人の人権を掲げており、国籍や人種等の違いを超えて、互いの文化や価値観を尊重する意識の醸成と国際交流活動の推進に取り組むことを施策の方向性として明記するなど、多文化共生の観点も取り入れております。具体的な施策につきましては、第五次長野市総合計画や第三次長野市教育振興基本計画と連動しながら、国際化の推進、国際交流の推進及び多文化共生の推進を3本柱として、定住化、長期滞在化が進む外国人を取り巻く様々な環境に対応できるよう展開をしております。
 この基本方針は策定から10年以上がたっていることから、社会情勢の変化や情報化社会のさらなる進展などとともに、複雑化、多様化している人権課題に対応できるよう、見直しを検討しています。そして、この見直しにおきまして、在留外国人を取り巻く環境の変化や現在の課題を把握をし、あらゆる人権を尊重する視点で全ての施策の方向
性を改めて示すことが、多文化共生社会の包括的なビジョンの役割を果たすことになっています。
 あわせて、この方向性に基づき、国での議論なども踏まえて、具体的施策を再構築することがアクションプランにも通じるものと考えております。
 多文化共生の推進は、互いの国の歴史や文化を正しく認識し尊重するとともに、多様な文化や価値観を認め合い、共生の心を醸成することが必要です。
 今後も、社会醸成の変化に対応した効果的な施策を推進することで、共生社会の実現を目指してまいりたいと思います。

(最後に)全ての住民の人権が守られるまちになるために、人権とまちづくりの視点からのアクションプランが必要です。ぜひつくっていただくようおねがいいたします。


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