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活動報告

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6月14日(水)の個人質問では「移住定住促進」と「子どもの居場所」について質問しました。質問の録画はこちらからご覧いただけます。

①「移住定住促進について」5月に総務委員会で静岡市の移住定住促進について視察を行いました。静岡市の取り組みのひとつである「まちあるき」は、移住促進のために配置されている移住相談員が、希望者に対し暮らし目線を大切にしながら実際にまちを案内するもので、移住相談員や職員と顔の見える関係ができ、移住してから市役所に顔を見せてくれる人もいるそうです。移住者交流会も年2回以上開催され、昨年度も定員の30組いっぱいの参加があり、参加した方たちが、新しい移住者のために何かをしたいと移住者サッカーチームをつくったり、そこからまた何かが生まれるかも、という期待が感じられるそうです。市が時間をかけて一緒に動きながら、その人にとって一番良いことを寄り添って支援することで、移住者が住みやすい、暮らし安い環境や雰囲気が出来ていること、それがあることで、移住者同士がつながり、自ら発信をして新たなつながりをつくっていく、それに魅力を感じて、また移住者が来る、この循環が素晴らしいと思いました。

 大岡で移住者の方たちのお話をお聞きする機会がありました。地域の方や移住してきた方たちが、自分たちの住む地域のことに一生懸命取り組んでいらっしゃることがよくわかりました。その一方で、私が感じたのは、移住者と市との意思疎通がちゃんとできていない、移住者の方の思いや考えを、これまで市がきちんと受け止めてきていないのではないか、ということです。

 現在休園となっている大岡保育園について、移住の際に「今後休園する」ということを何も聞いていなかった。移住した当時、大岡の小中学校の統廃合について検討がされていたことも知らなかった。移住したいという人が来て、空いている公営住宅や菜園付き長期滞在施設への入居を希望しても「修繕の予算がない」「修繕に2~3か月かかる」などの理由で入居することが出来ず、諦めてしまった例が何件もあった。そのことを支所で相談したり「ようこそ市長室」や「みどりのハガキ」で訴えても一向に改善されてこなかった、といったお話もありました。

 移住定住を促進するにあたり重要なのは、今住んでいる、特にIターンの方たちがそこでの暮らしに満足しているかどうかだと思います。先輩移住者の「いいところだよ」という声と、「市も応援しているよ」というメッセージ、これがなければ「ここに住みたい。ここに決めよう」とは思わないのではないでしょうか。

 移住者に来てもらい、定住してもらうために必要なのは、その地域の生活環境の整備です。それには、移住してきた方たちの感じていること、思いをよく聴き、本音のところを聞かせてもらえる信頼関係をつくり、改善すべき点を見出して移住促進策に活かす、というサイクルが欠かせないと思います。

 これまでの長野市の移住定住施策には、このことが圧倒的に足りていないのではないか。また、これまでの移住定住促進政策の成果と課題、今後の取り組みについて質問しました。

「企画政策部長の答弁」 声を聞く場として例年、移住者交流会を開催している。令和2年度3年度はコロナ禍により開催を見送り、昨年度は対象者や規模を縮小して実施。交流会の参加者にアンケートを実施したところ、移住した感想としては「移住して大変良かった」との回答がほとんどであり、これから移住する人に伝えたい事としては、「素晴らしい自然、やさしい人たち」といった感想と共に「雪道の運転や寒い朝になれるまで時間がかかりそう、ガソリン代が高い、買い物する場所が少ない」といったご意見もいただいた。移住を検討されている方には、こうした意見を参考にしながら、長野市の魅力だけではなく、都会との暮らしの違いや、雪や寒さといった冬の暮らしについてもお伝えし、その上で、移住を検討していただくようご案内をしている。

 市営住宅等の入居募集については、通常募集により広く一般に公募を行い、入居希望者がいない場合には、常時募集に切り替え、その後入居を希望する方に先着順で入居していただいている。中山間地域の市営住宅などは、入居希望者が少なく、常時募集に切り替えても空室のまま長期間経過してしまうことも多く、事前に整備しても再整備が必要になる場合もあるということから、入居の希望を受けてから入居手続きと並行して修繕等を行っている。実際に入居できるまでに2か月程度の期間が必要となっている。今後常時募集の住宅については、入居がなく、長期間経過後も影響のない範囲で入居前修繕をおこなうなど、できる限り速やかに入居いただけるよう検討する。また、菜園付き長期滞在施設については、全戸に耕作可能な菜園が併設され、居住者には農業にたずさわっていただくことが入居条件になっている。この菜園付き長期滞在施設は大岡地区内に5か所、計43棟あり、現時点では38棟が入居済み。空き部屋となっている5棟については、入居前の修繕が必要な状態であり、ただちに入居いただくことはできないが、今空いている全戸が入居可能となるような修繕を今後おこない、関係機関と連携しながら移住定住促進につながるような積極的な活用を進めていく。今後、各部局で進めている事業について、移住者からご意見をいただいた場合には本年4月に設置した、移住に関わる庁内関係部局5部7課の移住推進担当職員による担当者会議を月一回程度開催しているので、そこで情報を共有するとともに、課題ついて協議を進める。併せて移住希望者に対しては、各部局における実情を丁寧にご説明し、ご理解をいただくよう努める。

 これまでの移住定住促進政策の成果と課題、今後の取り組みについて、移住相談件数は平成30年度から令和2年度までは年間200件から250件で推移していたが、令和3年度が333件、4年度は343件と増加している。また本市窓口での相談や、移住支援制度などの利用により移住件数として確認できたものは、令和2年度は62世帯79人。令和3年度は59世帯100人、令和4年度は143世帯259人と移住者が大幅に増加した。移住支援策としては、空き家バンクの関係では成約者の半数以上が市外の方からということもあり、一定以上移住に繋がっているという効果が確認できていることから、令和3年度に空き家バンクへの登録を促進するため、空き家バンク登録促進等事業補助金、空き家バンク登録代行支援金を創設した。また移住相談者の約7割が20代から40代の年代層であるということ、移住後に賃貸住宅を希望しているという方が多いことから、若者や子育て世帯を対象とした家賃支援制度を昨年度から開始し、令和4年度は60件の申請実績があり、好評をいただいている。更に、昨年2月に開設した七瀬住宅については、長野駅から近いという利便性を活かし、市街地での暮らしを求める移住者から人気があり、現在入居可能な43戸は、予約を含めすべて入居済みとなっており好評である。これら各種移住支援策の充実が移住相談や移住者増加の要因であると考えている。一方、課題は、地域ごとの移住者の把握、地域が行う移住施策との連携、移住後のフォローであると考えている。今後の取り組みとしては、市が主催する移住者交流会については、地区別での開催や、人数、回数などを考慮して充実をさせる。また、一部の地域では地域住民が主体となって移住者支援交流事業や移住お助け隊といった事業を実施している事から、地域と連携し、情報共有、課題の把握に努め、移住相談や移住後のフォローにつなげていく。また、このような地域活動を含め、移住定住に関する様々な情報を本年4月に配置した移住推進担当職員で共有するとともに、庁内の横断的連携をはかる中で課題の協議を進め、さらなる移住を推進していく。

 行政の役割は、市民のエンパワメントだと思います。市の職員の仕事は、まずは地域に入って住民の方たちの話をよく聴き、必要な情報を届け、必要であれば本庁に上げたり、地域の取り組みや住民のやる気を下支えすること。その中で信頼関係も生まれると思います。市長の考えを聞きました。

「市長の答弁」移住推進については、移住推進課を設置するとともに、庁内の連携を強化するために関係課に移住推進担当を配置し、情報収集・情報共有をすすめることで、移住者に寄り添った移住相談をおこなえるよう体制を整備したところ。部長の答弁の通り。移住者に限らず、地域にお住いの市民の皆様にとって、行政に対する満足度が高いと感じていただけるようにするのが、私や市職員の使命である。またこの満足度を高めることで市も応援していると感じていただけるようにすることが大事。地域における移住推進については、庁内の連携体制を中心に地域の関係者である支所、地域きらめき隊や地域おこし協力隊、住民自治協議会などと連携をはかりながら地域の声、情報をくみ取りつつ、移住者を迎え入れる地域の実状に応じた取り組みを進めていく。

最後に、市職員の方々には、足を使って住民に寄り添い、住民と共に取り組むよう求めました。

②「子どもの居場所」について 市によると、令和3年度における年間30日以上欠席をした長野市の小中学校の不登校児童生徒数は小学校201人、中学校452人、合計653人。不登校傾向の児童生徒数については、文部科学省では不登校傾向の定義がないことから正確な数は把握していないが、令和4年の10月のSaSaLandの意向調査の際、各学校に不登校または不登校傾向のある児童生徒を対象にする旨を依頼した結果、約800人となり、現段階ではこの数が推計される人数であると捉えている。とのこと。日本財団が2018年に中学生を対象に行った調査によれば、文科省が30日以上の欠席を要件としている「不登校生徒」は約10万人であるのに対し、欠席が30日未満である不登校、基本的には教室で過ごしているが学校がつらいと感じていたりみんなと違うことをしている仮面登校、基本的には教室で過ごすが、授業に参加する時間が少ない部分登校、学校の校門、保健室、校長室などへは行くが教室に行かない教室外登校など、「不登校傾向」の生徒は約33万人、3倍と推計されることが示されています。長野市にも同様に多くの不登校傾向の児童生徒がいることが推測されます。

 不登校や不登校傾向の子どもの多くは、学校へ行けないことに負い目を感じ、自分はダメな子、悪い子だと思い、自己肯定感が低くなってしまいます。保護者の多くも、うちの子はもう将来がないのではないか、育て方が間違っていたのではないかなどと悩んだり、周囲の目も気になったりして悩み苦しんでいます。この状態の子どもや保護者に寄り添う居場所が必要です。 

 松本市では、2013年にNPO 法人「はぐまつ」に委託をし、行政と市民が共に創る子どもの居場所「子どもの支援・相談スペース はぐルッポ」を開設しています。「はぐルッポ」は、様々な理由で学校へ行くことが出来なかったり、登校していても苦しい思いをしている子どもたちの居場所です。学校復帰を目的とせず、子どもたちが「ただ居ていい」場所であり、指導やコントロールをするのではなく、何もしないでいることも保障されている中で、子どもたちが自分の好きなことをして過ごし、自分で考え、自分で決めて動き始める、その子が自分を取り戻し、次の一歩を踏み出すためのエネルギーを育む、誰もがありのままの自分で居られて、言いたいことが言えて、安心して失敗することが出来る、自分はこれでいいんだと思ってエネルギーをためていける、そんな場所でありたいと活動しています。

初年度の2013年は、開所日94日、延べ500人ほどだった来所児童生徒や保護者は、2022年度には年間開所日163日で延べ2857人。登録者が90人。常時来ている児童生徒は15~25人で多い時には30人。保護者のみの相談も、開設当時の月平均1.8人から、2022年度は31.7人に増えています。

 長野市では、不登校児童生徒を支援するために、令和6年度に旧七二会小学校笹平分校を活用した教育支援センター「ササランド」を開設する予定です。子どもの権利に関する先進地川崎市の「フリースペースえん」を参考事例とする取り組みには、多いに期待したいと思います。

しかし、「ササランド」や他の中間教室のような教育施設ではなく、「はぐルッポ」のような、家から一歩出る居場所、そこでゆっくりと回復し、エネルギーを取り戻すことが出来る福祉的な場を必要としている子が数多くいます。「はぐルッポ」が毎年作成している文集には、子どもたちの「ストレスが少なくなった。」「いつもよりえがおがふえた。」「ぜんぶたのしいから だいじょうぶ」「のびのび勉強できるから頭の回転がよくなる。」といった言葉が載っています。来た頃は「もう死ぬからいい」と言っていた子が、そこで過ごすうちにだんだんにやってみたい事が出てきたり「進学したいから勉強したい」と自分で取り組みはじめたり、学校で深い心の傷を負い、そこから回復するためのケアを必要とする状態の子どもと保護者に寄り添う施設があることで、その先に、子どもの自己決定としてササランドや他の中間教室を選ぶ子もいれば、違う選択をする子もいるでしょう。

市では、個々の児童生徒の状況に応じて社会的自立に向けた適切な居場所を提供できるようにと、中間教室や民間施設、団体を紹介する冊子を発行していますが、それを見ても、長野市には平日昼間の子どもと保護者の居場所が全く不足していることがわかります。

冊子で紹介されている、三本柳でNPOが開設する、子どもを中心とした居場所「にっこりひろば」は、今年度、これまでの常設から週1回の開設になりました。2019年から3年間活用できていた日本財団の補助金が終わり、資金的に厳しい状況になったことが原因です。市からも昨年度は常設施設向けの補助金が受けられましたが、今年度は打ち切りとなりました。

 松本市は、「松本市子どもの権利条例」の「市民は地域において子どもの権利を保障していくために必要な支援を受けることが出来る」という規定に基づき、市民団体が実践する居場所づくりについて市がしっかり後方支援し、対等な関係の下に足りないところを補っていくという考えで施策を展開しています。長野市でも、「にっこりひろば」のような、教育施設では出来ない子どもと保護者へのケアに取り組む民間の活動への支援がもっと必要です。

不登校児童生徒がこんなにも増え続ける中で、根本的には、社会全体で学校が子どもの最善の利益を実現できる場になること、どの子も安心して楽しく行かれる場になることにもっともっと真剣に取り組まなくてはなりません。しかし、そうなっていない現状の中、学校に行かない、いけない子は増え続け、「はぐルッポ」でも保護者の相談は増え続けています。

長野市も「はぐルッポ」のような、子どもも保護者も安心して行かれる居場所を公設民営で設置する必要があると考え、市の考えを聞きました。

「こども未来部長の答弁」不登校児童生徒への取り組みとしては、教育支援センターの設置やフリースクールなどの子どもの居場所を運営する民間事業者との定期的な情報交換会や児童生徒の学びの場への選択肢が広がるよう家庭への民間施設の案内等をおこなっている。来年度には新たな教育支援センターとして旧七二会小学校笹平分校にSaSaLandを設置し、不登校児童生徒の受け皿の拡充と、支援の充実をはかる。

またICT機器を活用し、不登校児童生徒が自宅でも学べるよう環境を整備するほか、スクールカウンセラーなどの専門家への保護者からの相談や児童生徒や保護者が抱える課題の改善に向けたアドバイスや関係機関とのネットワークの構築など、子どもに応じた支援を実施している。不登校児童生徒が増加している状況にあって、子どもたちの自宅や学校以外の居場所、いわゆる第3の居場所については、悩みごと相談や学習支援、体験活動といった点で不登校やひきこもりの子どもを含めたすべての子どもの成長を支える場のひとつとして、また地域の特性に応じた取り組みとして必要性が高まっていると考えている。現在NPO法人や市民グループなどによる子ども食堂などが市内各地で開催されており、食事の提供の他に学習支援や交流などが実施され、子どもの居場所のひとつとなっている。市としても、こうした子どもたちの居場所の運営に対して市有施設を開催場所として利用する際の連絡調整のほか、子育て団体と連携して開催するイベントにおいて、子ども食堂に関する周知、情報提供を行うなど、側面的な支援をおこなっている。不登校児童生徒が増え続ける中、個々の子どもたちの状況に応じた適切な居場所づくりはよりいっそう求められていると認識している。自分の好きなことをして安心して過ごせる居場所はさまざまな事情を抱えた子どもたちにとって必要であると考えており、第3の居場所の設置・運営については、行政と民間の役割分担をふまえ、各々の特色を持った特徴やノウハウを有するといった資源を活用しつつ、民間事業者による柔軟で独自性のある運営手法を尊重し、行政として支援していくことが望ましいことと考える。

 教育施設ではできないケアがあります。このような施策を行うために、市長の強いリーダーシップが必要です。市長のお考えを聞きました。

「市長の答弁」市長に就任して以降、子ども・子育て支援及び教育の施策として子ども総合支援センター「あのえっと」の設置、また子どもの貧困対策計画の策定、ヤングケアラー支援、不登校児童生徒の育ちと学びの場となる教育支援センターSaSaLandの設置に向けた準備等、様々な子育て支援事業に取り組んできた。私としても不登校児童生徒等子どもたちを取り巻く環境、また事情によって子どもたちが置かれている状況は異なると理解をしている。それぞれの子どもたちに合った支援が重要であると認識している。また個人的に川崎市のフリースペースえんも訪問した。施設運営者といろいろお話しをさせていただいた経験も踏まえて、引き続き不登校児童生徒などへの支援を含めて子育て支援にしっかり取り組んでいく。

 苦しい思いをしている子どもと保護者が現実にたくさんいます。子どもの権利を守るために必要な施策です。市長の強いリーダーシップで取り組むよう求めました。

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