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活動報告

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 3月定例会に提出された議案は、常任委員会(今回は議会運営委員会でも審査がありました)で審議され、最終日にその審議結果の報告とそれらに対する討論を経て、議案毎に採決をおこないます。すべての議案の結果は長野市議会のページからご覧いただけます。

  • 議案のうち、
  • 請願第1号「最低賃金の改善と中小企業支援策の拡充を求める意見書」の採択を求める請願に賛成。

請願第3号「青木島遊園地廃止方針の再検討と子どもの権利擁護を求める請願」に反対。

議案第1号令和5年度一般会計予算に反対、修正案に賛成。

議案第45号長野市印鑑条例及び長野市手数料条例の一部を改正する条例に反対。の立場で討論をおこないました。討論の録画中継はこちらからご覧いただけます。

 請願第1号「最低賃金の改善と中小企業支援策の拡充を求める意見書」の採択を求める請願については、新型コロナ感染症拡大、気候変動や円安、ウクライナ情勢などの影響による物価高騰が、全国的に住民の生活を圧迫しています。全労連などが取り組んでいる「最低生計費試算調査」によると、若者が単身で人間らしく暮らすために必要な生活費は月額24万円以上、時間給にして1500円以上であり、これは都市部と地方に大きな差はありません。最低賃金が上がらなければ、若者はじめ長野市出身のUターン希望者は、生まれ故郷に戻りたくても戻れない現状があります。移住者を呼び込もうとしても、移住したくても来られないという方もいるのではないでしょうか。最低賃金を引き上げ、同時に中小企業の支援策を強化するこの請願は長野市の定住人口を増やすという重要施策に照らしても採択すべきと考えました。

 請願第3号「青木島遊園地廃止方針の再検討と子どもの権利擁護を求める請願」については、残念ながら今の時点で請願項目を実現することは不可能と考えざるを得ません。この問題を巡っては、廃止に至る過程において検証すべき様々な問題点があると思います。子どもたちにとって必要な、住民の大切な遊園地が廃止されることになったことを、行政には重く受け止める必要があります。市が示す廃止の6つの理由については、住民から事実誤認や手続き上の行き違いなどが指摘されており、ホームページ「青木島遊園地の廃止を判断した経緯について」の内容についても、住民や児童センター館長から事実と違う部分があるという指摘がなされています。昨年8月25日の市長レクには、事実と異なる内容があったことも明らかになっています。私自身も、10月31日に公園緑地課から話を聴いた際は「設置当初から苦情で利用が出来ない状況だった。小学校、児童センターでは全く利用しないようになっている」と説明を受けました。11月16日に子ども政策課に話を聴いた際も「ずっと公園は使えていないので無くなっても状況は変わらない」と聞きました。さらに、ここにきて公園の土地を巡る土地所有者との交渉経過について、記録が公文書として残されていないことも明らかになり、3月18日の信濃毎日新聞には、専門家からの「政策決定の根拠を欠き、行政運営への信頼が揺らぐ」との指摘が掲載されました。市長が示した青木島小学校グラウンドを利用する代替案は、結局春休みになって1週間近くが過ぎた今も実現されず、今後の実現の目処も立っていないという状況です。子どもたちは、目の前に遊園地があり、隣には学校のグラウンドがあるにも関わらず、長い春休みに思い切り外遊びを楽しむことができないでいます。今委員会審査において、地域への周知に関して担当課から「10月に回覧をしたが1ヶ月の間に問合せは1件だった。遊園地の入り口にチラシも貼って周知したが問合せは無かった。ご理解いただけていると考えた。」「回覧の前に地元説明会の開催も考え、地域の方にも相談した。ただ、この件は長年にわたって地域の中でも課題であったことで、説明会等を開催すれば、実名で個人攻撃に繋がるのではないかという意見もあり開催しないほうがよいと言う意見もあったので、回覧と入り口に看板を設置することで周知をした。回覧から一ヶ月の間は、我々の方に問合せは一件しか無かったので、実際その当時は遊園地は使っていなかった状況で、そういう状況をみた中で、市が廃止をしたんだなという判断があったので問合せが無かったとそのときは感じた。それで廃止をした、ということ。」だという説明がありました。しかし、地元自治会が令和5年1月に行った住民アンケートでは、8割が廃止に反対をしています。この結果は何を物語っているのでしょう。これまでの長野市の住民との向き合い方の問題、対話の欠如がこのような結果を招いてしまったのではないでしょうか。3月16日には、「青木島遊園地の存続を願い地元住民有志の会」より市長宛に、存続のため最善の手立てを尽くして取り組むこと、事実を詳らかにし、風通しの良い、住民に寄り添った市政の運営に努力することを求める要望書が提出されました。住民の方たちは、子どもたちのために何とかしたいと願って今もがんばっておられます。市は、この思いにきちんと向き合い、今回の一連の問題について全庁的に検証を行い、今後の市政運営を改善していく責務があると思います。そこで、委員長報告に賛成するにあたり、市に対しては、早急に以下の3点に取り組み、市民に対し報告を行うことを強く要望しました。①これまでの経緯を詳らかにし検証を行う。②今回の件での地域との向き合い方、住民との対話のあり方を検証し、今後の市政における改善策を示す。③子どもたちがのびのび遊べる環境を1日も早く実現する。

 議案第1号令和5年度一般会計予算案 議会事務局関係の歳出、議会費については、会派代表者会議に新友会だけが代表として3名出席し、費用弁償がなされていることがこれまでの間、議会運営委員会で何度も話し合われてきましたが議論は平行線をたどっています。社会常識的に「代表」というのは1名であり、ある団体の人数が多いからといって代表が複数になるということは通常は考えられません。その根拠となるものがないことが明らかになっている以上、1会派だけ代表が3名で、費用弁償も3人分支払われる予算案に反対です。保健福祉部関係のコミュニティソーシャルワーカーの予算が付けられていないことについては、第4次長野市地域福祉計画に基づいた、コミュニティソーシャルワーカーの令和8年度までに7名設置に向け、雇用を計画的に進めるための予算を確保すべきです。商工観光部関係の歳出、勤労者福祉費の勤労者活躍支援センター整備事業については、現在進められている勤労者福祉施設の再編は、全体的なビジョンや他機関との連携に基づいた個々の施設の計画と、実際の市民ニーズの把握・分析が不十分です。将来世代に負担を先送りしないためとして、利用者が存続を求める施設の廃止を決定する中、新たな施設を建設するからには、その施設は市民が納得の市民にとって必要不可欠で考え抜かれたものでなければならないはずです。計画を一旦凍結し、今の施設を使い続けながら計画を考え直すべきです。教育委員会関係の歳出、教育指導費 学校マイプラン推進事業補助金の減額については、2月2日に長野市の女性議員と女性農業者の方たちとの「農村女性トークセッション」が開催されました。女性農業マイスターの方たちからは、学校での農業体験が以前より減っていること、長野の子どもたちが子ども時代に農業を体験をすることの重要性についてご意見をいただきました。女性マイスターのみなさんの熱い思いが伝わってきました。学校における農業体験については、学習指導要領が変わり、教科以外に自由に使える時間が減ってしまったということも要因のひとつですが、農業体験に取り組みたい場合でも、かかる費用が捻出できなければ断念せざるを得ないのではないでしょうか。この減額には反対です。市民生活部関係の歳出、総務費の自治体DX推進事業について同じく戸籍住民基本台帳費については、議案第45号の討論内容と同様の問題を孕みます。自治体の業務業務委託を巡り、政府の個人情報保護委員会が全国の自治体にマイナンバーの管理状況について点検を求めた2021年度分の報告のまとめによると、半数近くの自治体がデータ入力などの業務委託をしており、そのうちの1割超の自治体で不備があったという結果で、個人情報の漏洩に大きな懸念が残ります。実際に漏洩の恐れのある重大事案や、職員がマイナンバーを含む市民の個人データを収集していたとして懲戒免職のうえ告訴という事件も起きています。以上の理由からマイナンバー関連の予算案に反対です。以上の理由で議案第1号令和5年度長野市一般会計予算案に反対し、共産党により提出された修正案に賛成しました。修正案の内容は、歳出の民生費及び衛生環境費に関して、国補・被災者見守り相談支援事業及び被災者に対するこころと身体のケア事業の継続のための経費2,483万7千円と69万円をそれぞれ増額。総務費の被災地区移住補助金については、民間でまかなえる事業への支出であるため、その経費1,500万円を減額。
土木費に関して、長野駅前B-1地区市街地再開発事業補助金2,560万円を減額。
歳入については、歳出の修正に伴い、長野駅前B-1地区市街地再開発事業補助金関連で、国庫支出金1,280万円、県支出金384万円、市債800万円をそれぞれ減額する。これらの修正による差額956万7千円については、財政調整基金繰入金を増額することにより収支のバランスを図る。以上の結果、歳入歳出ともに1,507万3千円減額し、歳入歳出予算総額を1,610億8,492万7千円とするもの。

 議案第45号「長野市印鑑条例及び長野市手数料条例の一部を改正する条例」については、「デジタル社会の形成を図るための関係法令の整備に関する法律」の改正により、通称「公的個人認証法」の改正が令和3年5月19日に公布され、令和5年5月11日に施行されます。おもな改正点は、現在マイナンバーカードに搭載している利用者用電子証明書をスマートフォンにも搭載できるようにするというもの。市の説明によると、サービス開始月や内容について示されていないが、今月2月に総務省から条例改正等の対応を各自治体で適切に判断してほしいとのメールが市にあったとのこと。法の施行は公布から2年以内と定めているため、令和5年5月までには条例の整備が必要である。というのが改正の理由です。この議案の審議をした総務委員会では、「安全性は担保されているか」と委員が質問したのに対して、市は「国がやっている制度なので安全性は確保されていると思っている」「個人認証、個人プライバシーの保護の方は万全と解釈している」と回答しました。マイナンバーカードで行政サービスが受けられるマイナポータルを巡っては、法的根拠がマイナンバー法の附則にしか定められていないことや、利用規約には利用者に損害が生じても、所管するデジタル庁は「一切の責任を負わない」とする条項があるなど、大きな問題があります。3月7日には、健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに一本化するための関連法改正案が閣議決定され、国会に提出されました。公金受取口座の登録を進める新制度も盛り込まれ、社会保障と税、災害対策に限られている法的縛りを緩めて、行政の全般に番号の利用範囲を広げることも盛り込まれています。さらに、法で認められた業務の類似事務は、政省令でマイナンバーを利用できるようになりますが、国会審議を経ずに用途が広がり、取り扱う機関が増えることで情報流出の可能性が高まることが懸念されます。3月20日の信濃毎日新聞は、政府が昨年夏に都道府県教育委員会に対し、マイナンバーカードの申請などに関する情報を学校現場で児童・生徒に提供し、普及促進に協力するよう呼びかける文書を配布していたと報道しました。学校を政治利用する、許されない事態です。政府が巨額の税金(国民の税金)を投じ、なりふり構わぬやり方で強引に義務でないはずのマイナンバーカードの普及を推し進めるのはなぜなのか疑問は深まるばかりです。マイナンバー自体には、番号法による個人番号の利用規約があり、プライバシー侵害に対する一定の歯止めがありますが、マイナンバーカードは別の法律に基づいており、利用規制がかかっていません。それにもかかわらず、政府はマイナンバーカードの発行番号を顧客データと紐付けて使うことを民間業者に推奨しています。ビッグデータによるプロファイリングは人権侵害や民主主義の根幹を揺るがしかねない重大な問題ですが、日本での法的対応は遅れています。利活用ばかりに前のめりで、集めたり紐付けたりしてはいけない情報についての議論がない状態は大変懸念されるものです。マイナンバーを巡っては、今に至っても情報漏洩の問題は解消されておらず、市民がその可能性をきちんと知らされることがないまま、マイナンバーへの様々な個人情報の紐付けが強引に進められています。これらを理由に条例に反対しました。

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