信州・生活者ネットワーク
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活動報告

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令和6年度の一般会計予算は、以下の問題点を指摘して反対討論をおこないました。長野市の予算の概要と予算書は長野市ホームページからご覧いただけます。

反対討論の録画中継はこちらの長野市議会ホームページでご覧いただけます。

議案の議決結果はこちらの長野市議会ホームページでご覧いただけます。

総務委員会関係

2款総務費3項「戸籍住民基本台帳費1目戸籍住民基本台帳費の個人番号カード交付事務」303,647千円、14款国庫支出金2項国庫補助金2目「民生費国庫補助金のマイナンバーカード取得促進事業」などのマイナンバーカード交付関連マイナンバー制度をめぐっては、情報のひもつけ誤りなどのトラブルが相次ぎ、市民の不信感が高まっています。現行の保険証を廃止し、その機能をマイナンバーカードに持たせて一本化する「マイナ保険証」については、対策を求める意見書が全国110の議会から提出されました。医療現場からも問題の声が上がっています。実際のマイナ保険証利用率は4%と低迷しています。市民生活に混乱を招く懸念の多いマイナンバーカード関連の予算に反対です。

保健福祉部関係

歳出3款民生費2校児童福祉費1目児童福祉総務費「子どもの体験・学び応援事業」これは、子どもの体験・学び応援事業みらいハッ!ケンプロジェクト」におけるパートタイム職員2名分の人件費等を計上するものです。モデル事業を経て、プログラム充実と通年で利用可能とすること、ポイントを30000円分に増額するなどの理由から9億2,399万5千円を計上した繰越明許費補正が2月臨時会において可決されました。その際、反対討論で述べさせていただいたように、対象者28,060人のうち54.6%の15,328人がクーポンを利用しなかった、あるいは利用することができなかったモデル事業について、効果測定の検証結果はいまだ公表されていません。限られた財源の中で優先すべきこと、支援すべきことは何かを精査し、見極める必要があります。モデル事業の検証が不十分なまま子どもの体験・学び応援事業「みらいハッ!ケンプロジェクト」を実施することに反対します。

3款民生費 3項老人福祉費 1目老人福祉総務費「友愛活動支援」への要望

令和6年4月から、友愛活動の対象者がこれまでの「70歳以上の一人暮らしの方」から、「地域社会から孤立する恐れのある70歳以上のみの世帯の方」になります。「地域社会から孤立する恐れのある人」とはどのような方なのか。地域包括ケア推進課から地域の団体に示された判断基準は「同居以外の人との交流が週に1回以上なく、相談事やちょっとした手助けで頼れる人がいない。スポーツや趣味の会、地域の集まり等へ定期的(月1回以上)参加していない。孤独であると常に、あるいはしばしば感じる、当の理由により孤立する心配がある人」というものです。そして、これまでの「ふれあい会食」は「ふれあい交流会」に変更され、食事の提供は任意、ただし年間6回以上開催することが要件とされました。

これに対し、地域でこれまで友愛活動を行ってきた団体の方からは、戸惑いの声が上がっています。「家にこもっている人に声をかけて出てきてもらって孤立を防ぐ」というのは、単純な簡単なことではありません。出てこない方には、それぞれに様々な事情があります。地域のボランティアが「この人は孤立している」「この人は孤立していない」という判断をどうやってするのか、しかも年6回以上交流会を開催するのは無理なので、もうこの事業はやめるという地区もあるとお聞きしています。

これまでのふれあい会食には、地域の元気な高齢者の方たちも参加していました。ふれあい会食で地域の顔なじみとおしゃべりして笑って、それをとても楽しみにされていた方がたくさんいます。デイサービスなど介護サービスがあったとしても、昔からの知り合いに会えるというのは特別な意味があることなのです。そして、「孤立するおそれのある人」だけを集めるのではなく、いろいろな人が集まる場だからこそ、みんなが楽しめて元気になれるのではないでしょうか。年をとっても安心して住み慣れた地域で暮らすために、地域住民だからこそ出来ることは、このような場を作ることなのではないでしょうか。それぞれの地域で実際に友愛活動に携わっている方たちによく話を聴かせていただいて課題を共有し、より良い事業としていくことを要望します。

経済文教委員会関係

7款商工観光費2項観光費2目観光振興費の「オリンピック記念アリーナ施設整備」や10款教育費6項保健体育費2目体育施設費の「真島総合スポーツアリーナ長寿命化改修工事」など、オリンピック施設整備事業毎年の多額な維持管理費に加え、整備・改修の度に巨額の市債を発行し、市債残高を積み上げ、後年の公債費の割合を高めるオリンピック施設は、人口減少社会に適応する施設ではありません。他の公共施設と同様に、縮減や廃止の対象にして検証し、持続可能な公共施設としてのあり方を定める必要があると考えます。以上を理由にオリンピック施設整備関連の予算に反対します。

プロスポーツ関連予算

2款総務費1項総務管理費7目企画政策費「ホームタウンながの推進」で、地域密着型プロスポ―ルチームとの連携を通じて地域の活性化及び交流人口の拡大を推進するため、スポーツ交流事業委託・ホームタウンデー開催負担金・ホームゲーム観戦交流事業負担金・転入者ホームゲーム招待事業補助金・応援バス事業負担金など1014万6千円、10款教育費6項保健体育費1目保健体育総務費「スポーツコミッション推進」で、プロスポーツチーム活用による地域活性化施策策定事業に3,740万円、2026年から始まる新B1リーグ「Bプレミア」への参入要件の一つをクリアするための「アリーナ高機能化による地域活性化事業負担金」5億円など、プロスポーツに関連する予算が計上されています。

市は、ホワイトリングの高機能化のための費用を企業からの5億円の寄付金で賄うとして歳入に計上しています。寄付金の見込み額に対して、実際の寄付が足りなかった場合でも一般会計を繰り入れることはしないとしていますが、寄付は本来、寄付者の自発的な意思に基づく供与ですから、寄付が不足する可能性もあるでしょう。補正や別会計からの繰り入れで、結果的に市民負担になることがないよう強く要望します。また企業版ふるさと納税は個人版のふるさと納税とは異なり、癒着を防ぐために自治体から企業への経済的な見返りは禁じられています。寄付の対象事業を受注するには自治体の入札プロセスを経るため「自治体と企業の癒着の問題は生じない」という制度設計になっていますが、今回の寄付金は、ブレイブウォーリアーズへの負担金という形でチームに交付するため、市の入札契約を経ずに工事が進むことになります。寄付金の還流や課税逃れといった企業版ふるさと納税の制度上の問題を指摘する声も上がっています。公正な行財政運営をゆがめる恐れのある手法でスポーツの成長産業化を進めるべきではありません。

長野市では、身近なところに無料で使える社会体育館があることが、市民の生涯スポーツの活性化に大きく寄与してきました。社会体育館に関する予算は、市内30か所の管理運営費4713万1千円、体育館ひとつあたり平均157万円と長寿命化改修費1470万円のみです。しかし、3月11日のスポーツ審議会において市から、現在無料の社会体育館について、昼間は2時間2700円から3500円、夜間は3200円から4200円を標準利用料とする案が提示され、その理由として「有料化は老朽化した施設の改修や維持費用を補うためで、現在は緊急性の高い改修や修繕を優先しておりトイレの洋式化や備品の修理に遅れが出ている。有料化しない場合は社会体育館の数を減らす必要がある」との説明がありました。

この料金設定に対して、利用者からは「負担が多過ぎる。これでは活動を継続できなくなる」という声が上がっています。長野市の掲げる「スポーツを軸としたまちづくり」には、市民が身近にスポーツに親しめる環境の整備が欠かせません。維持管理費が足りなくて、このままでは市民が気軽に使える大切な施設が維持できず、大幅な利用者負担増を検討せざるを得ないという事態の中、プロスポーツへの予算配分が多すぎるのではないでしょうか。プロスポーツについては、民間がやるべきことであり、市民の暮らしを圧迫してまで公費を入れる必要はないと考えますので関連する予算には反対です。

10款教育費 1項教育総務費 3目教育指導費「心の教育推進」の「教育支援センターSaSa Land開所事業」1億2006万4千円への要望

不登校の子どもたちにとって、小さくてよいので自分で歩いて行かれる範囲に教育支援センターがあることは、とても重要です。ササランドに一定の予算を確保したために、小さい身近なところへの予算が減ることのないよう、また信大生ボランティアや支援員などによる子どもたちへのサポート体制についても、ササランドが出来ることで他のところが手薄になることのないようお願いします。

建設企業委員会関係

8款土木費5項土地区画整理費3項目「都市再開発事業費」のうち、新田町交差点周辺整備基本計画等作成委託に係る予算2,409万円

建物は一度作ると50年60年先まで残ります。また、行政の計画は一度スタートしたら状況が変わったり時代に合わなくなったりしても、立ち止まり転換することは困難です。検討部会の指摘にもあったように、より丁寧な調査や分析を行ったうえで、慎重な検討を行うべきであり、このまま計画を進めることには反対です。

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