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活動報告

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 ふたつめの質問項目は「長野市と地域企業が連携して行う婚活事業の問題」についてです。録画中継はこちらからご覧いただけます。

 長野市では、結婚を希望する方に対し、地域や職場などの身近な『世話焼きさん』として、日常的な話題に『結婚』を取り上げ、結婚を応援する機運を醸成いただくボランティアを募集しています。ボランティアには個人登録の「夢先案内人」と、企業・団体登録の「夢先ゴールドパートナー」があります。「夢先ゴールドパートナー」の活動内容は、
・お客様に対し、日常の話題に「結婚」を取り上げ、市等の結婚支援情報を提供
・社員等に対し、市等の結婚支援情報の周知、参加への後押し
・独身者や市民等に対し、婚活に役立つセミナー等を開催
・その他、結婚を応援する機運の醸成に関する事業  となっており、現在18社と協定が締結されています。

 この活動内容を見て、善意で行われた「世話焼きさん」の活動が、マリッジハラスメント、シングルハラスメントなど人権侵害の状態を招くことになるのではないかと危惧しています。結婚を希望し応援して欲しい方のために、情報提供や相談を行うことは必要だと思います。しかし、結婚や人生に関する価値観は人それぞれであり、一つの価値観を行政が個人に押し付けるようなことがあってはならないと思います。考えてみてください。お店や銀行、病院に行くと結婚を話題にされ、結婚支援情報を提供されるとしたら。これでは安心して買い物や通院ができなくなってしまいます。また、職場で結婚支援情報を提供され、参加を後押しされるとしたら。このような職場では、プライバシーが守られず、否応なく結婚を応援する雰囲気の中で働かざるを得なくなります。結婚や婚活を望まない人やLGBTQの人たちにとっては出社することが苦痛になってしまいかねません。

 性の多様性や個人の自由、プライバシーへの配慮を欠き、人権侵害に繋がりかねないこのような取り組みを市として推進することには大いに問題があると思います。
夢先ゴールドパートナー協定の取組内容のうち、
「お客様に対し、日常の話題に『結婚』を取り上げ、市等の結婚支援情報を提供する」
「社員等に対して市等の結婚支援情報を周知するとともに、参加を後押しする」の2項目について取りやめることを求めました。

 市長は、平成30年度に実施した結婚などに関する市民意識アンケートで、独身者の7割が結婚を希望するも、普段出会いの機会が全くないと回答した人が4割を占めていたため、職場から出会いの機会となる情報を届ける婚活支援をしていくことが必要と考えて、令和元年から夢先案内人の企業版「夢先ゴールドパートナー」を募集したとのこと。この協定を締結した企業には、結婚は個人の自由な選択にゆだねられている点に留意し、価値観の押し付けやプレッシャーを与えることのないよう、市のガイドラインに沿って取り組んでもらい、研修も実施して人権への配慮をしながら活動できるよう支援していく。
また企業からは、この協定をきっかけに社員のコミュニケーションの活発化や結婚をしたいと思えるようプライベートの時間をとれる仕組みを進める機会になったという話を聞いた。という答弁がありました。

 この事業は、どんなに気を付けて取り組んでも、心を傷つけられる人がいます。それを理解していながら推進することは大変な問題です。人権に関わるこの問題に市が責任ある対応をすることを強く求めました。

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